「後ろ向きは歩きにくい」
これは、さがのがばいばあちゃんの言葉です。
確かに後ろ向きに歩くと、前が見えないし、危ないし、歩きにくいものです。
もちろんこれは、歩き方を注意しているのではなく、前向きに生きなさいよというメッセージが込められており、ユーモアのあるどこか笑える言葉です。
プラス思考マイナス思考という言葉があるように私たちの気持ちは浮き沈みがあり、普段調子が良い時には何事も前向きにとらえられるものですが、つまずいたとき、悩みごとを抱えたとき、心の余裕がなくなると、急に後ろ向きになってしまうものです。
まさに今は、先の見えない不安で、この先どうなるのかと後ろ向きに物事を考えて、なかなか前に進まないことも多いと思います。
感染したらどうしよう・・・。
いつ終息するんだろう・・・。
元の生活に戻れるのだろうか・・・。
仏教では、もともと私たちは無明の存在であると説かれます。
暗闇の中を進むべき方向も分からず、欲のまま怒りのまま進んでいる迷いの存在であるということです。
自分の都合、自分中心に生きているのが私たちであり、その事にもなかなか気づこうとしない、なかなか気づけない、自分が正しいと思って生きているのが私たちであると。
仏教は、無明の自分に早く気づきなさいよ、内面の自分の心をしっかり見つめていきなさいよという教えです。
愚かながら、今回コロナによって気づかされたこともたくさんあり、このような仏さまの教えにも今さらながらハッっとさせられます。
今は「これからどうなるのか」というコロナの状況において、「ではあなたはどうするのか」と生き方を問われているように思えてなりません。
そう思うと、今は一度立ち止まって大切な事を考える良い機会なのかもしれません。
コロナが収束した時に、この数年がただの我慢の日々で終わってしまってしまわないように、今を大切に過ごしたいものです。
共に前を向いて善い一歩を踏み出していきましょう。
今できることをしっかりと
手洗い、うがい、南無阿弥陀仏