思い返せば「おもてなし」のプレゼンテーションからスタートしたこのオリンピック。
新型コロナウイルスの影響で今年も開催できるかどうかも分からない状態でしたが、いざ始まってみるとやはりスポーツの一生懸命な姿というのは感動を与えてくれますね。今まではテレビをつけても暗いニュースばかりだったのが、明るい話題、うれしいニュースが毎日のように飛び込んできます。
この八月は、オリンピックだけでなく、お盆もやってまいります。
「盆と正月の里帰り」と言われますが、お盆に私たちが帰省するように、ご先祖さまも各家に里帰りされるのです。だからこそお盆にはご先祖さまへの「おもてなし」の心でたくさんの食べ物をお供えし、亡き方の好きだった食べ物や飲み物などもお供えします。早く帰ってきて欲しいという思いから、きゅうりの馬を作り、ゆっくり帰ってほしいという思いからナスの牛をお供えされているところも多いですね。
「風は見えないけれど 風のすがたは なびく草の上に見える」
風は目には見えませんが、風のすがたを感じることができるように、ご先祖さまが帰ってきている姿も目には見えませんが、私たちがそのように心を込めてお迎えをする中に感じることができるのです。そして、そのおもてなしの姿を喜んでくださり、楽しみにしてくださっている方がちゃんとおられるのです。
私たちは普段、目に見えない大きな支えの中で生かされている、そのことを再確認できる、気づかせていただけるのがお盆なのです。
最近ではお盆休みには家族旅行やレジャーという人も増えていますが、このようなお盆の風習は日本人が昔から大切にしてきた行事ですので、しっかりと受け継いでいっていただきたいものです。
テレビを見ていて、メダリストの皆さんはインタビューの時に「たくさんの支えのお陰で」と必ず感謝の言葉を口にしています。
選手の皆さんがたくさんの方に応援されているように、阿弥陀さま、ご先祖さまもお浄土からいつも私たちの一生懸命な姿を応援してくださっていますよ。
お盆での再会を楽しみにしてくださっているご先祖さま。
家族そろっておもてなしの心でお迎えし、お念仏をお称えいたしましょう。